長い歴史を背負う背中と、今年の伐採作業
2025/12/10
今回の伐採予定箇所の作業が11月24日無事に終わりました。 原木栽培の「原点」とも言える、クヌギの木を切り倒す作業です。
写真に写っているのは、この山の持ち主さんです。 約70年間、この山で生産を続けてこられた大ベテラン。若い頃は炭を作っていたそうで、山には今でも炭焼き窯の跡が残っています。
その背中を見ていると、この山で積み重ねてこられた長い歴史が想像できる気がします。
伐採の前には、山の境界線を丁寧に教えていただきました。 山の中では、隣接する木が別の持ち主さんのものであることも珍しくありません。自然のものを資源とする私たちにとって、持ち主さんとのコミュニケーションは不可欠です。お互いが気持ちよく関われることが、何より重要だと感じています。

私が椎茸栽培を始めた当初、原木の確保には本当に苦労しました。 しかし、一度生産者さんとの繋がりができると、それをきっかけに道が開けていくのを感じます。そこで大切なのは、やはり「信頼」を築けるかどうか。 他の方の木を傷つけないことや、道を作ってくださった方への感謝、山を使わせていただいているという敬意を持って山に入っています。
実際の伐採作業は、切り始めれば2日ほどで終わります。意外と早いものです。 しかし、そこに至るまでには、道の掃除や木の確認など、多くの「見えない作業」が隠されています。
そうした準備を経て、ようやく手元に来てくれたこの良く育った木。 この恵みをしっかりと受け継ぎ、これから大切に椎茸を育てていこうと思います。




最後の木を伐り終える頃の頂上からの眺めです。

帰る頃には、山の紅葉が非常にきれいな事に気が付きました。
また来年も、この紅葉がきれいな時期に伐採ができればと思います。


